「鴨川ホルモー」??ジェットコースター小説!
今週のお題「読書の秋」
「鴨川ホルモー」?なんじゃそりゃ?? ボクは千葉の鴨川シーワールド近くのホルモン焼き屋で繰り広げられる、人情味溢れる小説(居酒屋兆治のイメージね)と勝手に思い込んでいて、何年もスルーし続けてました。
まさか京都を舞台に、安倍だの菅原だの楠木だの何だか意味ありげな名前の大学生達が「ホルモー」なる訳のわからない戦いを繰り広げる、奇想天外ドタバタ青春ストーリーとは想像だにしませんでした。
で、これ本当にくだらないけど面白い過ぎる。まるでジェットコースタームービー。
究極に破天荒な設定であるにも拘らず、それを凌駕してしまう緻密なストーリーや徹底したキャラの作り込みは凄いね、もはや変態だ。漫画的な小説とも言えるけれど、そんな境界線を簡単に超えてしまっている作者の腕を見せつけられる小説。作者 万城目学さんは京大出身と聞いてさもありなんと。変態ぶりも京大のよき伝統を引き継いでいて頼もしい。
あんまり書きすぎると本を手にとる楽しみを奪ってしまうので、ストーリーのことは書きませんが、浮世離れした、抱腹絶倒、スカッと爽やか、ちょっとインテリ風、おまけに京都の風情も楽しめる、グリコのおまけ満載の青春小説。同作者の「鹿男あおによし」や「プリンセス トヨトミ」とはちょっと違った粗削りな疾走感あふれる快作/怪作です。
秋の夜長に、京都のガイド本を手に、是非堪能しておくれやす。