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サックスと日常と非日常の記録

衆院選 小池氏は進化形トランプか?

小池氏およびその周辺の人々の発言が定まらない。日曜日のNHK番組で側近の若狭氏が政権奪取は今回は狙わない旨の発言をし、その真意を訝しく思ったが、早速2日、小池氏自ら政権奪取の意向を示した。マスコミや大衆の反応に合わせて言を左右する、その場しのぎのデマゴーグ政治家なのか、優れた戦略眼を備えた政治家なのか。

キャスター出身だけあって、イメージ戦略、マスコミ操作、そして空気を読むことに長けていることだけは間違いない。その政治スタイルから小泉劇場になぞらえて小池劇場と呼ばれているが、実態は異なる。小泉氏は、是非はともかく、郵政民営化を政策として打ち出し続け、マスコミやパフォーマンスを駆使して民意を味方につけ、事を成した。政治理念、政策実現のための戦略としての劇場型政治であったのに対し、小池氏からは具体的な政策や戦略は見えない。加計問題などの不透明な政権運営への批判として政治の見える化や改革実行スピードが遅い、と言った耳触りはいいが感覚的な言葉が繰り返されるばかりだ。私はそもそも政治の見える化なんて主張自体が、ナンセンスだと思う。

唯一明確なのは改憲志向。その目指す所はよく見えないが、どちらかと言えば安倍氏に近く、選挙後の自民との改憲大連立も勘繰ってしまう。

都知事選、都議選、そして都政の実績を見る限り、美辞麗句は並ぶものの実は何もしていない。豊洲問題は実質的には問題の先送り、オリンピックもうやむや。確かに前任者の政策決定プロセスの不備?を晒し、有権者とマスコミの自己満足させただけで、何ら建設的な政策決定がされたわけではない。何と無く有権者が政治参加し、政治が透明化したかのように錯覚させ、満足させる、言うなればマジックだ。

小池氏の政治は、トランプ大統領や小泉氏の得意とする、わかりやすい対立構造を演出し民意とマスコミを味方につけ巧みにブームを巻き起こす一方、トランプを反面教師よろしく、あくまで清新なイメージは崩さない。高度にコントロールされたパフォーマンスだ。ただトランプのような明確な主張はない。

今回の政局の回し方は見事と言う他ないが、その先に治世を行うだけのビジョンと実行力があるか。小池氏は、果たしてただの自己顕示欲の強いデマゴーグのマジシャンか、信念を内に秘めた政治家か。幻惑されないよう言動を監視し続けなければならない。