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サックスと日常と非日常の記録

「地方の復権」 兵庫県姫路市の例

今日、3日ぶりに帰京した。兵庫県姫路市へは年に一度のペースで足を運ぶが、世界遺産指定以降、着実に賑わいが
戻っている。

かつての姫路は、新日鉄に代表される典型的な工業都市で、鉄冷えとともに地盤沈下していき、10数年前の地域経済論の
講義で「衰退都市」の典型例として、取り上げられていた。

しかし、世界遺産への登録以降、姫路城を中心とする播磨地方の独自性をコンテンツパワーとして明確に自覚し、
観光産業による再生の道を歩み始めた。

街には海外からの観光客も見られるようになり、それにともない観光都市としてのハード・ソフト両面の変化が
見られ始めた。例えば、姫路駅改築をはじめとするハードの著しい改善。ソフトでは、タクシー運転手の質の向上。
かつてはその手の筋の人と間違うほど荒々しかった接客が、ここ数年で見違えるほど改善している。
そして姫路城改築すらイベントにしてしまえる、コミュニケーション力の洗練。

10数年前、若年層が目に見えて減少していた街が活気を取り戻しつつある。
その背景にあるのは、間違えなく地域の歴史的なコンテンツへの誇りである。
歴史的なコンテンツは、本の数年前までは、過去の遺物またはガラクタにすぎなかった。
そして今、それらは、世界遺産に登録されることで再発見され、地域の誇りの源泉に再び返り咲いた。